マゼールのストラヴィンスキー、その他。

12月8日。通勤の往路はストラヴィンスキーの「三楽章の交響曲」と「詩篇交響曲」。復路は「ペトルーシュカ」を聴く。交響曲2曲は1995年頃のバイエルン放送響との録音。ペトルーシュカは98年、ウィーンフィルとの録音だ。
三楽章の交響曲は楽章ごとに表情が変わる曲で、第二楽章の美しさは素晴らしく、やれば出来るじゃないかと言いたくなるが余計なお世話だろう。詩篇交響曲は歌が入るのためかストラヴィンスキーにしては破壊的な面が押さえ込まれていて聴きやすい音楽になっているものの、らしくないのも事実。
ペトルーシュカはウィーンフィルのおかげかまろやかで美しく、これも聴きやすく仕上がっている。もちろん曲自体が他の代表作よりも多少穏健だからでもあるのだが、ふくらみのある響きと、反面耳に付くピーキーな高音、全体につきまとう艶っぽさなど、日頃あまり好ましくないと感じているウィーンフィルの音が、この曲では良い方に転んでいる。不思議なものだ。

12月9日。行きはグローフェの「グランドキャニオン」、帰りはハーバートの交響詩「ヘーローとレアンドロス」とオペレッタのメドレー。
グローフェとこの作品は名前は聴いたことがあったが聴くのは初めて。なかなかに叙情的で風景描写に優れた聴いていて楽しい作品だ。
ハーバートについては名前も知らず、紙ケースのスペルを見て、ヘルベルト、ドイツの作曲家だろうか、聴いたことが無いなと思って調べたらアメリカのハーバートさんだった。アメリカ的な味はあるがグローフェや、あるいはコープランド、ガーシュイン等よりは薄く、特にオペレッタのメドレーは曲によりヨーロッパの作曲家が書いたワルツだと言われればはいそうですかと言ってしまいそうな穏健な出来だった。
どちらも1991年、ピッツバーグ響との録音。ハーバートはピッツバーグ響の音楽監督であり、グローフェは彼の遠縁とのことで、オケにとっては歴史的に重要なレパートリーなのだろう。30枚組みの中に、こうしたあまりメジャーでない曲を入れるあたり、どんな曲でも対応できるというかしてしまうマゼールらしい選曲なのだろう。

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