クレンペラーのマーラー、7番。

クレンペラーのマーラー録音集、まず4番を聴いて、巨大化したかの様子に、まるで7番のようだと思った。では、巨大化した7番はいったい何にたとえればよいのだろう。
遅いが、ただ遅いだけでなく、さまざまにちりばめられた音をひとつひとつしっかりと引きずり出して聴かせる。しかし分析的、というわけではない。もやっとしたEMIの録音のせいでもあろうが、冷徹さが感じられないからだ。楽器が、音が、闘技場に押し出され、ぶつかり合う。それが延々と続く。巨大なコロッセオに、グラディエイター達の屍が天に届くほど積み上がっていくようだ。ただでさえとらえどころの見つけにくい曲だが、これはもう、ただただ呆然とありのままに受け止めるしかない気がしてきた。
惜しむらくは、低音、特に太鼓の音がひしゃげて聞くに堪えない。他にリマスタリングに手をかけた盤があるのであれば、そちらを選ぶべきだ。



これなんかどうなんだろう。

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