久々に聴いたノイマンとクーベリックのマーラー9番。

先週は東京へ出かけたので、新幹線に乗っている間に聴こうと、ノイマンの最後の録音となったマーラーの9番と、同じ9番のクーベリックの全集に入っている録音をDAPに入れて持ち出した。



クーベリックの録音は、ごくオーソドックスで、全体に演奏時間は短めであるがせかせかした感じは無い。しかし、淡々と進んで行きくどさがないのが、時間に現れているのだろう。アンチェルや、ショルティもそうだが、古めの録音にはすっきりとしたものが多く、60年代あたりではごくオーソドックスな演奏だったのだと思う。いつ聴いてもあまり印象が変わらない。1番のように、もっとはじけると言うか野放図と言うか、のびのび歌う感じが欲しい。
一方、ノイマン最後の9番は、非常に録音が克明かつ分析的で、しかも80年代にしては引っ張らない、これも淡々とした演奏のため、ともすれば純水のように透徹過ぎて面白くないと感じられる。以前に聴き込んだ時はそうだった。しかし、今回は躍動感やマーラーらしいガチャガチャとした猥雑さが聴き取れて、印象をあらためることになった。終楽章も、以前感じていた清らか過ぎて人を寄せ付けない雰囲気が薄れている。何故だろうと思うと、以前とはイヤホンが変わっていて、低域の量が増しているせいではないかと。こういうこともあるものなのか。

コメント

人気の投稿