「弱虫ペダル」の第19巻。

インターハイのロードレース、まだまだ続く。



団体競技であり、しかも球技のように同時に対戦しているのが2チームだけ、というわけではないので描くのは大変だろうなと思うのだが、脇のキャラクターのスポットの当て方などもなかなかいい感じで進んでいる。
そうして、あるキャラクターに焦点を当てたときに、その人物の努力や強さの裏づけとして、どうしても背景、過去に触れるのは、王道とも言うべき表現手法だろう。で、ふと思い出したのが、かつて週刊少年マガジンで連載され酷評されていた「Over Drive」というロードレースを題材にした漫画。
レース中、「ピンチになる→過去の回想シーン→なぜか急に強くなる」という図式がさんざん非難されていた。上に書いたように、王道といってもいい表現手法のはずなのに、そうは受け止められていなかった。そして確かに、喫茶店などで読んでみたことがあったが、何故か納得できない、イラっとさせられるものだった。まあ、「Over Drive」に関しては他にも駄目な要素が山ほどあるのでどうしようもないのだが。
そんな「Over Drive」と、「弱虫ペダル」の差はなんだろう。掘り下げ方の問題だろうか。ネームの練りこみの差だろうか。あるいは、自転車、題材への取材の密度の差だろうか。などと考えていると、これらの労力を注ぎ込めるだけの、愛情の差が最大の理由のような気がしてきた。

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