ヤング・ゼネレーション。

1982年になっていたか、まだ81年だったか。
私は生意気な高校生だった。岡山大学の映画研究会が、時々街中の映画館を一晩借りて、オールナイトでシネマテークを開催していて、仲間を誘って観に行っていた(余談だが別の回でピーター・セラーズの「チャンス」を観て衝撃を受けたこともあった)。そのうちのある回に、この「ヤング・ゼネレーション」がかかった。アメリカのインディアナで、大学に進まず定職にも就かずにいる若者たちの日常に自転車レースを絡めた物語。
当時すでに自転車を趣味にしていたこともあり、それだけでも好ましい作品であったが、青臭い若者たちの物語であるとともに(オールナイトで映画を見に行くことをカッコいいと思うような)青臭かった頃の自分のいたたまれぬほどの青臭さの証のひとつでもあるようで、忘れられない映画だった。去年だか一昨年だかに初めてDVD化されたのは知っていたが、後回しになって、ようやく入手した。



タイトルには時代を感じさせられる。今時なら「ヤング・ジェネレーション」とするか、もうちょっと違う邦題をつけるだろう。原題は「Breaking Away」で、自転車レースで言う「アタックをかける」といった意味合いだ。もちろんそれは、クライマックスのレースの中でだけでなく、主人公の人生においても、だ。そしてその背景に、主人公の父親の思いがあって、昔は気づいていなかったが、年をとったせいか父親の台詞が妙に耳に深く入り込んできて、なんだか今にしてやっとこの作品が理解できたような気になった。

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