坂口安吾。

最近、坂口安吾を読み返している。普通、安吾を読むというと、「白痴」「夜長姫と耳男」「桜の森の満開の下」などだろう。もちろんこれらの作品は過去に読んできたけれど、安吾作品には、歴史ものの一群があって、これがなかなか面白く、専らそっちを読んでいる。
代表作は、「新大阪」と言う新聞(プロレス紙「ファイト」を発行していた会社だと思う)に連載した「信長」。昔、富士見書房という出版社の時代小説文庫シリーズで、この「信長」ほか、安吾の時代小説がリリースされたものを、いまだに持っている。
奥付を見ると、長編「信長」と短編「織田信長」を収めた文庫は、昭和62年初版。ほぼ四半世紀経っていて、紙は茶色く変色しつつあり、買い替えを考えねばならないように見える。斉藤道三を描いた「梟雄」などを収めた「道鏡・家康」も同年初版。あと、勝海舟が安楽椅子探偵として活躍する「明治開化 安吾捕物帖」なんてのもある。
また、これも昭和の終りだが、河出書房から、やはり文庫で「安吾史譚」「安吾新日本地理」「安吾新日本風土記」と、日本史を追った論考、ルポルタージュ群が文庫化された。これらもあわせて読むと、まあ安吾は同じことをあちこちに何度も書く人なので、またその話かと言う場面があるのだが、大体安吾の歴史ものはカヴァーできた。
おそらく廃刊になっているものが多いだろうし、買いなおすとして、色々調べないと同じ作品を網羅することが出来ないのではないかとちょっと不安だ。とりあえずは信長だけは買い換えておくべきか。


これは「信長」しか収録していないのではなかろうか。


こっちは関係の深い「織田信長」や「梟雄」が入っていないようで、その割りに値段も高いし買う気にならない。
悩ましいことだ。

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