アブラヴァネルのマーラー全集。

モーリス・アブラヴァネル指揮ユタ交響楽団のマーラー交響曲全集。5番が入っているべきディスクの中身が3番後半と4番になっていて、良品交換が可能か問い合わせていたが、結局返品となった。

世界初のマーラー全集を録音したと言われているようだが、録音年を見るともっと早くに全曲が録音されている全集が他にあり、どういうことなのかよく判らない。
まあ、そんなことはさておこう。アブラヴァネルは、名盤と呼ばれるような録音は残していないようだが、実力は相当なものらしい。マーラーの弟子であるワルターに一時期だが師事したことがあり、また、ベルリン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場に、実力を評価され請われて赴いている。一方のユタ交響楽団は、スポンサーの資金力があり楽器もよいものを揃えているがアメリカのいち地方都市のオケと言う以上の実力は無かったとされる。しかし、アブラヴァネルには腰をすえてひとつのオケと付き合いたいと言う思いがあった。そして未成熟なユタ響は指導者を必要としていた。というわけで、お互いの希望がマッチした関係だったようだ。

中身のチェックのために一通り聴いて見たところでは、どの曲もさらっとしてすいすいと進むが、けしてつまらないわけではない。むしろ、おどろおどろしいところが無く聴き易く、オケの能力には差があるが、ノイマンとチェコフィルの演奏に近い、丁寧で節度のある演奏と感じた。録音も年代を考えるとかなりクリアで良い。良品が再発されたらもう一度手を出すかもしれない。

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