ムラヴィンスキーのショスタコーヴィチ第8番(Regis盤)。

定番であり、ピッチの異常でも有名な、1982年の録音。
もともとのPHILIPS盤が少しピッチが高く、それを復刻したタワレコ盤もそのまま、で、ピッチを直したRegisによるリマスタリング盤がひとつの解決となっているようだ(しかし、そろそろ在庫が尽きつつあるようで、オンラインショップでは廃盤表示が目に付く)。



ピッチが高くなっている盤を聴いていないのでそれとの比較は出来ないが、リマスタリングで環境ノイズが丁寧に除かれているのか、あるいはそもそもさすがPHILIPSと言うことなのか、なかなか旧ソ連の演奏とは思えぬきれいな録音だ。少なくとも肝心なところが歪や潰れで台無し、と言う箇所は無い。
ただ、ネット上のレヴューの通り、ムラヴィンスキーらしい切れ味と言うか酷薄さと言うか冷徹さは影を潜めているように聴こえる。恐らく高音のエッジが丸くなっていたりするのだろう。それが、ピッチの修正を含むリマスタリングによるものだろうと言うネット上の指摘通りだとすると残念だ。と思う一方、一寸穏やかではあるけれど聴きぐるしい物が排除され旧ソ連の録音が苦手な人にも楽しめるディスクになっているのも事実で、功罪相半ばと言ったところか。

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