バルシャイのマーラー5番。

指揮者、音楽家のルドルフ・バルシャイが亡くなったとのこと。偶々縁がなくこれまでバルシャイの録音を聴いたことがなかった。ショスタコーヴィチの交響曲全集は値段が安いこともあって数年来売れに売れているようだが、なぜか買っていない。
それなのに何故か、バルシャイのマーラーには手が伸びた。というのも、未完の第10番に、バルシャイによる補筆完成版があるからだ。
10番の補筆完成版と言うと、クック版が主流で、クック版の元になったホイーラー版と言うのがあるがそれはクック版に継承されているからまあ無理に聴かずともよさそうで、カーペンター版と言うのもあるが先般ジンマンが全集録音で出したもの以外は見かけないからまあこれも手出しせずとも良いかと思え、何よりそれ以前に10番は補筆版聴かなくたってオリジナルのアダージョだけでも良いんじゃないかとさえ思えるし、で、そんなに補筆版には興味が無かった。
のだが、ネット上で偶々、ショスタコーヴィチがバルシャイにマーラーの10番を研究しなさいよと言っていたそうだと言う書き込みを見つけ、また、CDのレビューを読むとどうやらショスタコーヴィチっぽい部分が散見される仕上がりになっている様でもあり、それなら聴いて見なければなるまいと思った次第。
で、とりあえず他の物と一緒に注文して、届くのを待っているのだが、届く前に、同じコンビの5番を難波のタワレコで見つけたので買ってみた。当然、5番だからバルシャイ版とかそういうものではない。



オケはユンゲ・ドイチェ・フィル。
若いドイツのフィルであるから、経験は積んでいないのだろうか。冒頭のトランペットからしてちょっと線が細い。頼りない。頭の中でミロスラフ・ケイマルと比べてしまうから尚更だ。
などと偉そうなことを考えている内に、いやいや、堂々たる演奏じゃないか。と、思えてくる。やや遅めのテンポ、ホールの豊かな響き、なかなか良い。そして、旧ソ連、ショスタコーヴィチの系譜に連なる指揮者ゆえか、打楽器が力強い。だからと言って4楽章ががさつになったりということも無く、見事に進んでいく。
しかし残念なのは、終わると間髪入れず聴こえる叫び声、そして拍手。だからライヴのCDはいやなんだ。これでは余韻も何もない。カットしてくれればいいのに。

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