バルシャイ版マーラー10番。

他のものと一緒に頼んでいたのだがこれだけ先に届いた。



冒頭からしばらくの展開に、なぜか伊福部昭を連想してしまう。もっともそれはこの版だけでなく、クック版でもアダージョのみでも同じなのだが。それに、第1楽章はそれほどいじられていないわけだし。
ところが2楽章以降へ進んでも、あちこちのレビューなど見てショスタコーヴィチっぽいとか、旧ソ連的な雰囲気を想像してしまっている耳には、特にそれらしいものが感じられず拍子抜け。むしろ、至極マーラーっぽいとしか感じられない。確かに打楽器が目立つ場面はしばしばあるが、そもそもマーラー自身が完成した作品それぞれにおいて楽器ともなんとも付かぬような物を叩いて音を出してきているわけで、マーラーの曲としてはごく普通のことではないか。
ということで、ショスタコーヴィチ的なイメージを求めた点においては不満足だが、未完のマーラー作品の補筆完成版としては大変よく出来た面白い作品で満足できた。

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