Documentsのマーラー全集、続々。

5番、ワルター指揮NYP。
1947年モノラル。ボールトの3番と同年の録音だが、丁寧にノイズを取り除いてあるのか、結構聴ける。しかし、管の音が玩具みたいだったり、リマスタリングでも無理なものは無理な様子。すいすい進むのと音質が相まって、ドライで打楽器が強く前に出てくる硬質な5番になっていて面白い。ゆえに、アダージェットは潤いを欠くが仕方ないところか。

6番ミトロプーロス指揮NYP。
1955年モノラル、ライブ。これも音は残念だが仕方ない。1楽章、乾いた感じでザクザク進むが、それほど早いというわけではない。

7番、ロスバウト指揮南西ドイツ放送響。
1957年モノラル、ライブ。音のことは、まあ、繰り返しになってしまう。最近は7番でも2枚組を良く見かけるが、これは1枚で、だとてせかせかしているかと言うとそうでもない。落ち着いた出だしで普通に進んでいく。長い演奏と言うやつは、終楽章とか盛り上げどころを引っ張っているということなのだろうか。

大地の歌、ワルター指揮VPO、フェリアー、パツァーク。
1952年モノラル。色々とリマスタリングの異なるディスクが発売されている、歴史的録音。このディスクでも、ノイズは丹念に取り去られ、最終曲「告別」で不意に不自然に音量が上がる個所があったぐらいで、モノラルではあるが普通に聴ける音になっている。パツァークの歌唱は割りと軽め、あっさりで軽快、しかしフェリアーはやはり声が太いと言うか、重い。

9番、ロスバウト指揮南西ドイツ放送響。
1954年モノラル、ライブ。同じコンビの7番より録音は古いが、こちらの方がちょっとは聴きやすい音だと感じた。さらさらと流れ、しかし、ガチャガチャするところはありのままに賑やかになる。ショルティとロンドン響の録音に近いイメージだろうか。必要以上に引っ張ったり、急加速したりと言う感じは無く、演奏そのものは好感が持てた。

全体聴き終えて、まあ、歴史的録音を史料として聴く感じではあったけれど、ライナー指揮シカゴ響の4番だけでもお釣りが来るほどの値打ちがあったと思う。

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