Documentsのマーラー全集、続。

1番、クーベリック指揮ウィーンフィル。
1954年のモノラル録音なので仕方ないところ多々あるが、思っていたより音は良い。あっさり淡々と進んで行くが、3楽章あたりで温まってきたのか管が思い切りよくと言うか奔放というか、よく歌い始めて、後のバイエルン放送響との録音のような雰囲気になってくる。そして堂々たる終楽章へ。

2番、クレンペラー指揮コンセルトヘボウ管。
1951年、モノラル、ライブ。フィルハーモニア管との録音と、あまり変わらない印象で、やはり巌のように聳え立つ演奏。終楽章まで厳しさ、威容が保たれ続ける。フェリアーはやはりよく言われるように少し声が太いと言うか重いというか。

3番、ボールト指揮BBC響。
1947年の放送初演の録音。はっきり言ってノイズも含めAMラジオの音。この曲が好きなら耐えられようが、もともと冗長に感じている身には聞きとおすだけで精一杯。歴史的価値で聴くものだ。

4番、ライナー指揮シカゴ響。
1957年、ステレオ録音。結構良い音。がちゃがちゃした散漫な曲と感じることが多いのだが、これは非常にまとまりよく、厚みのある演奏だ。ひょっとすると、録音が古いのでダイナミックレンジが狭かったり、リマスタリングでノイズを消すとともに角が丸くなっていたりして、そのおかげかもしれない。レンジは狭いがぎゅっと詰まった充実感というか。
終楽章でのリーザ・デラ・カーザの歌唱もしなやかで張り詰めすぎず美しく、オケとのバランスも上手く取れている。手持ちのこの曲のナンバー1かもしれない。

8番、ストコフスキー指揮、NYP。
1950年ライブのモノラル録音。大編成で録音は難しいはずであり、この時代であるから、まあ、レンジの狭い詰まった音なのは仕方が無い。これを聴くと、機材や技術の進化がマーラーを普及させたのだと言うことがよく分かる。

10番アダージョ、シェルヘン指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団。
1952年モノラル。これも演奏の善し悪しというより歴史的価値を味わうものだろうか。10番自体は音が悪くとも興味深い面白い曲なのだが。

コメント

人気の投稿