このところ聴いているマーラー、ショスタコーヴィチ(3)。

パーヴォ・ベルグルンドとボーンマス交響楽団ほかによる、交響曲3曲と全協奏曲をまとめた5枚組。仏EMIの作曲家別廉価選集シリーズらしい。

交響曲第5・10・11番、協奏曲集 ベルグルンド、オイストラフ、モルク、他(5CD)【CD】-ショスタコーヴィチ|交響曲|クラシック|音楽|HMV ONLINE オンラインショッピング・情報サイト

交響曲はベルグルンド&ボーンマス響の5,10,11番。5,10は代表作として妥当だが何故11かはちょっと不思議なところ(このコンビには7番の録音がある)。加えて、同じコンビがソリストにクリスティーナ・オルティスを迎えたピアノ協奏曲2曲(プラス、フィルアップのピアノソロ「3つの幻想的舞曲」)と、EMIとVirginの録音からヴァイオリン協奏曲2曲、チェロ協奏曲2曲を持ってきたという構成だ。ヴァイオリン協奏曲1番はダヴィド・オイストラフ晩年の演奏。マキシム指揮でオケは「NEW」が付いていた時期のフィルハーモニア管。ヴァイオリン協奏曲2番はドミトリ・シトコヴェツキーとアンドリュー・デイヴィス指揮BBC交響楽団。そしてチェロ協奏曲1番、2番はトルルス・モルクをソロにマリス・ヤンソンス指揮ロンドンフィルの伴奏。
これらの協奏曲は、まあ、まとまった時間があれば聴こうかなと言う気持ちで、交響曲の方を聴いている。
まず10番。イギリスのオケで、アナログ時代のEMIの録音ということだからか、少しくすんだ音色。じんわりとした導入から、しぶい弦楽合奏を中心に1楽章が進み、2楽章でテンションとスピードがぐっと上がるが、流石にカラヤンやムラヴィンスキーほどの疾走感はない。しかし、聴き進むと、全体に腰を据えて丁寧に紡いでいく演奏で、特に3楽章などはいい味わいだと思えた。
5番は冒頭からテープ由来と思われるノイズが付きまとっておりちょっと残念。こちらもじっくり遅めのテンポで進み、ちょっとスモーキーな音色も10番と同様。しかし、終楽章冒頭はムラヴィンスキーっぽく結構速い入り。しかし音色のおかげで速さが軽さにつながらず、結構好みの感じに聴けた。ノイズが無ければかなり上位に据えられるディスクだ。
11番は、曲そのものを久々に聴いたのでなんとも言えないが、きわめて真っ当な演奏。やはり渋めの音色で黙々と進んでいくと言う感じ。おかしな色づけや大げさな表現は無い。コンドラシン、ハイティンクと比べて見ないといけない。

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