マーラーの「復活」を。

今年、と言うか昨年末から年始にかけての東急ジルベスターコンサート、メインはマーラーの第2番「復活」で、実のところすこーんと寝てしまって年が明けてから録画で年明けのカウントダウンを見聞きしたのだが、なかなか良かった。指揮は小林研一郎さん。カウントダウンのタイミングを合わせるために終結部を引っ張ったという批評も散見されるが、まさに日付が変わる瞬間に終えて、見事なものだった。
大曲であるから全曲を演奏したのではなく終楽章だけだったが、それを聴いて、ああ、無理して通して聴かなければ、いい曲ではないかと、目からうろこが落ちた気がした。20歳の頃から聴き始めて、どうにも好きになれずに来た曲が、昨年クレンペラーの厳つい演奏を聴いて何となく荘厳さには打たれ、炎のコバケンの終楽章でいいじゃないかと思わされ。
そこで手持ちを聞き返してみると、クレンペラー以外のノイマン、クーベリックはどうも軽すぎる。で、ショルティ指揮ロンドン響のディスクがセールになっていたので入手。WMAに変換して聴いてみた。



冒頭から、力感に溢れていて期待が高まる。イヤホンを低域よりのものに換えたところでもあり、低音弦や太鼓の音がずんずん来て心地よい。緩徐楽章はさすがにマーラーの分裂気質を感じさせるがこれは曲そのもののハナシ。そして、4楽章のアルトは柔らかく美しく、転じて5楽章冒頭の迫力がいや増す。そこから終結部までテンションが下がらず進んで行き、ノイマンやクーベリックでは妙に浄化されて軽くなってしまっている終結部までどっしりと。満足と言うか満腹と言うか。ショルティとロンドン響ではこの翌年に録音された9番を持っているものの、なかなかガチャガチャした演奏で、愛聴には至っていないが、この2番は良い。

感動的な終楽章の歌詞に、こんな一節がある。

生まれて来たものは、滅びなければならない。
滅び去ったものは、よみがえらねばならない。
震えおののくのをやめよ!
生きるために汝自身を用意せよ!


すべての被災者の方々と、不安に苛まれるすべての日本人に。

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