プロコフィエフ自作自演。

いつの頃からかネットで「狂言」と「自作自演」の使い方がごっちゃになっているが、これは本来の意味での自作自演。
先日難波のタワレコでプロコフィエフのピアノソナタ全集を買って帰り、よく見たら、4枚組みの内の1枚はプロコフィエフ自身によるピアノ作品の自演集だった。どうやら、自演集+おまけのピアノソナタ全集というつもりでリリースされたものらしい。レーベルは旧ソヴィエトの音源をがんがん復刻しているVenezia。かつてのRussian Discやメロディヤの凶悪な音質に頭を痛めてきた身には不安がよぎったが、ソナタ全集はあまりリリースされていないし、まして店頭では他のものも含めて見かけることはまずないので、思い切って購入した。

Prokofiev: Complete Piano Sonatas, Piano Concerto No.3, Fugitive Visions, etc - TOWER RECORDS ONLINE

1枚目の自演集は、いくつかのピアノ独奏曲のみならず、「ヘブライの主題による序曲」、ピアノ協奏曲第3番を含む。このレーベルのジャケット等では、ロシア語表記にちょっとだけ英語が補われているぐらいで、オケや合奏を含む自演集のクレジットはほぼ解読できないが、ネット上で商品説明を見ると「ヘブライの主題による序曲」はベートーヴェン四重奏団(クラリネットは不明か?)、ピアノ協奏曲第3番はピエロ・コッポラ指揮ロンドン交響楽団との共演のようだ。録音は1930年代。
「ヘブライの主題による序曲」、ピアノ協奏曲第3番については、イエフィム・ブロンフマンのディスクと聴き比べると、いずれもどちらかと言えば穏やかで淡々としており、プロコフィエフらしさのように感じていたおどろおどろしさに乏しい。独奏曲も同様の傾向で、自身の演奏がこうしたものであるとなると、管絃楽曲なども含めて、認識を改めねばならないのだろうかと思えてくる。もっとも、古いモノラル録音なので、その分は差し引くべきだろうが。

残る3枚はニコライ・ペトロフのソロによる全9曲のピアノソナタ全集。これはゆっくり聴いていこう。

コメント

人気の投稿