悲劇の作曲家マニャール。

HMVなどのオンラインショップで掘り出し物を探していると、聴いた事の無い、あるいは、それどころか名前も知らない作曲家に出くわすことがある。
最近、それで気になったのがアルベリク・マニャールというフランスの作曲家。全4曲の交響曲全集がリーズナブルな価格で出ていて目を引かれた。調べてみると、19世紀末から20世紀初頭の人で、驚いたことには、第一次大戦中、自宅に侵入してきたドイツ兵を射殺しながら、撃ち返され、火を付けられて亡くなったとのこと。なんとも凄まじい最期。

指揮は、トーマス・ザンデルリング。旧ソ連、東独で活躍したクルト・ザンデルリングの長男だそうで、おとっつぁんのディスクは何枚か持っているが、息子のは初めてだ。オケはスウェーデンのマルメ交響楽団。
録音は良く、演奏は少し線が細い気がするが肌理細やかな印象。しかし、これは以前にカリンニコフの交響曲を聴いたときにも感じたことだが、やはりメジャーどころの作曲家の作品とは、何かしら差がある。マーラーにせよタコさんにせよ、あまり熱心に聴くことの無いブルックナーなんかでも、ながら聴きであっても何か強いものが残るのだが、そこが弱いと言う気がする。変化に富み展開がめまぐるしく、場面場面ではなかなか面白かったりおやと思わされたりはするものの、終楽章が終わった後、あまり頭の中に残っていない。強弱、緩急、メリハリ、そういったものなのか、構造の問題なのか、聴きどころと言うものが見つけにくいと言うか。
こちらの素養の問題でもあろうが、もうちょっと聴き込まないと理解できないだろう。

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