天龍八部。

金庸の長編で、最後の文庫化となった天龍八部も、8月頭に最終第8巻を持って刊行完了。これから先はもう残っていないので淋しい気分だ。

読むより先に、数年前チャンネルNecoでドラマを観ており、それがなかなか散漫な出来で原作の出来まで疑っていたのだが、不安は杞憂に終わった。といっても、金庸作品のみならず武侠小説そのものがご都合主義に満ち溢れているので、そういうのが許せない人には原作も向かないだろう。
兎に角、水滸伝の前半のように複数の人物にスポットライトを当てながら、対象が切り替わり、入れ替わり、絡み合い、進んでいく。民族的対立と恩讐という、海によって守られていた日本人には遺伝的記憶に乏しい動機が基調となって、悲劇が連なっていく。読み終えてすぐ、第一巻から読み返し始めた。

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