ショスタコーヴィチの室内楽。

キース・ジャレットの「24の前奏曲とフーガ」は、改めて聴いてもなかなかつらいものがあった。電車の中で、バッハが不眠症のおっさんのために書いたと言うゴルトベルク変奏曲よりも良く眠れた。箪笥に戻ってもらうし、同曲異演を買うこともしばらくは無いだろう。

これ以外にも箪笥の肥やしになっているショスタコーヴィチのCDは色々あって、交響曲の場合は一軍というか、選抜から漏れたものが仕舞い込まれているだけだが、室内楽や器楽曲は数回、ひどい時は一回聴いただけでお蔵入りになっているものもままある。
弦楽四重奏曲全集もそうだ。ずいぶん昔に買って、たまに改めて聴いてみようと思いつつ、少し聴いてまた仕舞い込んでと言う繰り返しで、この前聴いたのは何時だったか思い出せない。

演奏はブロドスキーカルテットで、1989年の録音。買ったのは覚えていないが15~20年前の間のいつかだろう。輸入盤で価格は7千円台だったか。6枚組みで、今なら薄いケースや紙箱仕様になっているだろうが、当時はそんなものは無く、4枚入る厚いプラケースが2つ、ブックレットとともに紙箱に収まっていると言う厳ついパッケージだ。選択基準と言うのは特にない。当時、タコさんの弦楽四重奏曲を全集で店頭で探すと、他に選択肢はあまり無かったのだ。
弦楽四重奏曲というジャンルとはあまり馴染みが無く、ドヴォルザークやヤナーチェクぐらいしか好んで聴いていなかったためか、タコさんのこの全集はなかなかに辛いものがあった。晦渋や、現代音楽的な難解さ等が押し寄せて来るように感じられて、聴き込めないのだった。
これも、同曲異演を漁っても良いのだろうが、やはり全集と言う単位であれこれ買ってみて、どれも大して変わらず結局曲との相性が悪いのだと言う結論に至ったりしたら悲しいので、手を出しにくい。なので、大量だがMP3を作って、やっぱり通勤電車の中で聴くことにした。

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