24の前奏曲とフーガ。

ショスタコーヴィチのCDを集めるようになって、交響曲から協奏曲、それから室内楽、器楽曲へと手を広げてきた。まだまだ映画音楽群やオペラなどあまり追いかけていない、というか、追いかけなくてもいいやと思っている領域もあり、交響曲の中でも曲によっては同曲異演を集めようと思わないものもある。また、一方で、入手したものの滅多に聴かないものもある。
「24の前奏曲とフーガ」のCDは、10年以上前から持っているが、そんな、滅多に聴かず箪笥の肥やしになっている方の代表と言える。
持っているのはなぜかジャズ・ピアニストであるキース・ジャレットの録音1セットのみ。

ジャンルをまたいだ演奏として評価は高いようだが、どうにも淡々として聴き続けられない。演奏の所為なのか曲そのものの所為なのかがわからないのでこういうときこそ同曲異演に手を出すべきだが、以前は選択肢が少なく、2枚組みでそこそこボリュームのある曲で結構高価だったし、それでも手を出すほどには自分にとって器楽曲に対する優先順位は低いし、例えば定番と言うべきタチアナ・ニコラーエワのディスクだと、旧ソ連の耳に痛い録音の所為で聴き辛かったりしそうだし、等と手を出し辛い理由があれこれあって結局買い足さずに来た。最近ではNAXOSからコンスタンティン・シチェルバコフ、Brilliantからムーザ・ルバツキーテによる全曲録音が安価に発売されており、買ってみようかと思うのだが、その前に、もう一度ジャレットの演奏を聴いてみるべしと、引き出しの奥から取り出し、MP3を作った。


というのも、通勤電車の中で何も考えずに耳栓形イヤホンから音を注ぎ込むと言うのは、無に近い状態で音楽をしっかりと享受できる中々に良い聴き方であり、そうすることで曲の魅力やら演奏の特徴やら、あらためて見つかるだろうと思うのだ。
さて、引き出しから棚に移すことになるか、あるいは、別の録音を買い足すか、どうなるだろう。

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