最近の通勤の友。

「もっと遠く」「もっと広く」
開高健
南北アメリカ大陸を釣りをしながら縦断した紀行。各上下2巻で全4冊。何度読み返しているかもう分からない。つまり何度でも読めるほどの名著だ。クライマックスあたりで「構築的な音楽を」といって、ベートーヴェンの3番などを取り寄せたと言う記述があったりしたのでこちらもついつい3番を聴いてしまった。
絶版か?

天龍八部〈6〉天山奇遇 (徳間文庫)
金庸
そろそろクライマックスに向い始めている。TVドラマよりも原作は良い感じ。あっちこっち飛ぶのは飛ぶが、さほど散漫には感じない。北宋、遼、勃興前の金、西夏、吐蕃、大理、漢人、契丹族、女真族、鮮卑の末裔、侠客、僧侶、悪漢、武術家、王族、入り乱れての武侠すなわちカンフー・チャンバラ・大河ドラマ。
そういえば今日は第7巻の発売日だった。

なぜ通販で買うのですか (集英社新書)
斎藤駿
仕事で参加したセミナーの講師のおすすめ。広告の「モノを売る力」について、あらためて勉強になる。憲法9条云々とか語られる部分にはちょっと閉口だが。

始祖鳥記 (小学館文庫)
飯島和一
江戸末期に空を飛ぼうとしていた男、浮田幸吉の伝奇小説。おなじ素材で筒井康隆の「空飛ぶ表具屋」があり、30年ほど前に読んだが記憶はもう薄い。江戸期の岡山や千葉方面の姿、庶民の暮らし向き、幕府の無能と腐敗と商人の悪辣さなどしっかり書き込まれた読み応えのある一冊。岡山県出身者としては、郷里が前半の舞台であり、特に友人の家がある辺りが事細かに描かれているのも面白かった。気になったのは些細なことだが「サッパ」を「鰯」と記している点。「サッパ」というのは岡山で一般に言う「ママカリ」のことであって、鰯とは似て非なるもの、むしろ鮨ネタの「コハダ」で知られるコノシロに近い種ではなかったろうか。

ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
ヴィトルト・リプチンスキ
今読んでいる。西暦2000年までの1000年紀で発明された最高の道具は何か?という企画から始まる。意外と多くの道具が、その前の1000年紀に発明されていたり、さらに紀元前にすでに使われていたりする中、著者はねじにたどり着く。

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