ショルティのショスタコーヴィチ8番など。

タワレコ限定のDECCA復刻盤5枚組をやはり買ってしまい、まずはおまけのムソルグスキーの歌曲を経て、1989年シカゴ響との8番、1991年コンセルトヘボウ管との1番を聴く。
日本語解説ブックレットが付いている。「ロシア」ではなく「旧ソヴィエト」の作曲家であるショスタコーヴィチに対し、体制迎合芸術家を見る冷たい視線で眺めていたショルティ。それが時代の変化を受けて晩年に雪解けを迎え、積極的に演奏、録音を始めたもののその中途で亡くなってしまうまでの流れが、簡潔にまとめられており、ありがたい。
演奏の方は、ショルティ&シカゴなのでもっとガツンと来るかと思いきや、どちらかといえば優美で清明だ。8番の冒頭、意外と、重苦しくないのでオヤっと思った。聴き進んで3楽章、劈頭のスリリングな展開もハイティンクの全集の方がよっぽど暴力的で強迫的だと思うほど、抑制が効いている。どうやらじっくりと丁寧に楽譜を紐解いていく感じだ。といってもメリハリに欠けていたり、切れ味が鈍かったり、テンションが低かったりするわけではないので、じっくり聴きこむには寧ろ好ましい。
1番については、日頃あまり聴かないのでまあこんなもんかと。しかしこちらもオケが違うとはいえ、丁寧さは変わらない。
全てライヴ録音とのことだが8番の方は拍手は入っておらず、環境ノイズもスピーカで聴く分にはわからない。本当にライヴなのだろうか。

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