テンシュテットのマーラー、5番など。

引き続きEMIの全集から。ラトル指揮バーミンガム市響の3番を聴き終え、次はクラウス・テンシュテット指揮ロンドンフィルの5番、ライヴ録音へ。彼のマーラー全集に納められているのとは違う、単体で発売されている方だ。



冒頭のトランペットから、溜める。溜めるなあ、と、声に出してしまうぐらいだ。ショルティ、バルビローリ、ノイマン(最後の)と、すぐに聴けるものとその場で比べてみて、やっぱり溜めるなあ、と。と言っても、チェコフィルのケイマルの様に圧倒的力量を持って人力でフェードイン/アウトしたり減衰していく音を余裕を持って引っ張ったり、ではない。「パパパパーン」と吹いて、次の「パパパパーン」まで、あれっと思うほど間を空けるのだ。そうした場面が冒頭だけでなく、終楽章まで、全体を通して見受けられる。一瞬ぎゅっと力を溜めるというか、大見得を切っているというか、随所で気を込めていると言うか、そういう演奏だ(4楽章はさすがにそんな感じでは無いけれど)。
ダイナミックで熱いので、もうちょっと若かったら夢中になった演奏ではないかと思う。しかし、今の自分がマーラーを聴くにあたっては、もう少し沈着で澄明であってほしい。
ラトルの3番については、3番自体を滅多に聴かないし、ラトルの録音はウーセと組んだラヴェルの協奏曲集ぐらいしか聴いていないので、あまり多くは語れない。メリハリの利いた、はっきりした演奏だなというところ。同じコンビの7番については期待できそうだと思った。

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