ショルティのショスタコーヴィチ5番、9番。

ショルティのショスタコーヴィチ、続きは1993年の5番と、1990年の9番。どちらもウィーンフィルとのライヴ録音。

先に9番を聴いてみると、これもリマスタリングによるものか、全体的に低音が強調されており、そのため妙な迫力が出ている。それによって、そこかしこに散りばめられたショスタコーヴィチらしいグロテスクな部分が、前に出てきているように思える。軽妙な曲想を脅かすほどではないが、一風変わった演奏だ。
そしてこれも、終わったと思ったら一拍おいてブラヴォー、拍手。もうちょっと、余韻に浸りなさいよ。

そして5番だが、どうも、せかせかした感じで、それはショルティだからかなと思えなくも無いのだが、ショルティらしい毅然とした力強さにも乏しい。木管や弦が妙に艶めいて聴こえる場面もしばしばで、ロマン派あたりの交響曲をすいすいと演奏している感じとでも言うか、とにかく奇妙な違和感が付き纏う。といってもムーティの如く古典的な名作を堂々と鳴らし謳わせている風でもない。艶やロマン派あたりを彷彿とさせるのはウィーンフィルだからかなと思うのだが、どうもよくわからない。拍手が無いのは良かったが、とにかく、もうちょっと聴き込んでみないと、だ。

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