ヨエル・レヴィのショスタコーヴィチの5番。

マーラー聴きつつ、ショスタコーヴィチの5番についても手持ちのものをポツリポツリと聴きなおしてみている。アンチェル指揮チェコフィルの録音はすばらしい面もありつつ、管が今にも破綻しそうな場面とか、4楽章のテンポに癖がありすぎたりとか不満もある。ムーティ指揮フィラデルフィア管は大変流麗であるが、何と言うか、旧ソ連の音楽らしいどこか垢抜けない感じが薄い(ショスタコーヴィチは旧ソ連というちょっとヨーロッパの最先端から遅れた、情報の行き届いていないところにいたので、音楽的田舎者であるという旨の文章を、井上道義日本タコ協会会長が書いておられたように思う)。
で、意外と、これはスタンダードに成り得るのではないかと思えたのが、ヨエル・レヴィ指揮アトランタ交響楽団の録音だった。人気がある指揮者でもオケでもないだろうが、アメリカのオケらしく管に余裕があり、全体に丁寧だ。冒険も、エキセントリックな解釈も無いと感じさせるところは、ハイティンクの全集に通じるだろう。



レーベルはテラーク。アナログ時代を知る者にとっては、ダイナミックレンジの広い高音質のデジタル録音で勇名を馳せていた記憶があるので、音という点では信用しているというか、そう刷り込まれている。

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