ペトレンコのショスタコーヴィチ5番&9番。

珍しく新譜を買った。といってもNAXOSレーベルなので価格は廉価盤並み。2008年録音で2009年リリースの、ショスタコーヴィチ作品の中で、最も好きな5番と9番の組み合わせ。おそらく、5番と1番とか5番と3番だったら躊躇したものと思われる。

ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番&第9番

指揮のワシリー・ペトレンコは若手の有望株と言う以上のプロフィールが見当たらないが(ライナーノートの英文を読めばよいだけなのだが)、チャイコフスキーのマンフレッド交響曲やタコの11番がなかなか好評だったらしい。

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番,第9番
指揮:ワシリー・ペトレンコ
オケ:ロイヤルリヴァプールフィル
品番:NAXOS 8.572167

録音は良い。パーカッション系の埋もれがちな音などもしっかり捉えられている。かつ、例えばDENONのインバルの録音のように冷たい感じは無く、中低音の弦や木管はふくよかだ。そしてダイナミックレンジが広い感じだが、反面、音が小さい部分はホントに小さいので、聴く時のヴォリュームにはちょっと要注意だ。
ただ、5番も9番も、テンポが遅めで、じっくりと楽譜を紐解いていくかのようなきめ細かく豊かな演奏ではあるものの、ショスタコーヴィチらしく時折現れる不安や焦燥が大人しくなってしまっている様な。
それと、帯には「昔は泥臭いイメージだったけど、今のショスタコは洗練されてるよ」といった意味合いのコピーが載っているのだが、現代的な洗練された演奏というよりは、若い指揮者が真摯にじっくりと取り組んでみましたという録音ではなかろうか。

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