エリック・ガルシアの本。

エリック・ガルシアの「レポメン」と言う作品が文庫になっていたので購入。まだ途中だが、まずまず面白い。



この作品は映画化が決定しているらしい。ガルシア作品ではニコラス・ケイジ主演の「マッチスティックメン」に続いての映画化ということになるようだ。
「マッチ~」は原作を読み映画も観たが、現実の「あり得る」世界での詐欺師たちの物語で、それはそれで面白かったが、ガルシアの衝撃的な「鉤爪」シリーズに比べれば、おとなしいものだった(もう絶版になっている?)。
「鉤爪」シリーズは、現代社会に人の皮をかぶった恐竜たちが生息していると言う「あり得ない」世界でのハードボイルド・ノヴェルで、その破天荒な設定はマーク・ショアの「レッド・ダイアモンド」を凌駕する(といっても、自分にとって「レッド・ダイアモンド」より「上」では無いと思う。「レッド・ダイアモンド」シリーズ3作ほどに面白い作品は滅多に無い)。人工的な人の皮を着る描写など、映像を頭の中に写そうとしてもどうなっているのかわからなかったりもするのだが、そんな疑問は置き去りにして突っ走るパワーと勢いがある。

鉤爪プレイバック (ヴィレッジブックス)
さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス F カ 1-1)
鉤爪の収穫 (ヴィレッジブックス)

「レポメン」は、この二つの間にあって、「鉤爪」寄りの作品だ。舞台は恐らく近未来のアメリカで、人々はローンで人工臓器を買って死に抗っている。主人公は支払いに行き詰った顧客から人工臓器を回収するのを生業としていた男で、その職のことを「レポマン」と呼ぶわけだ。
ちょっとグロかったりするかもしれないが、サイバーパンク風味のハードボイルド・ピカレスクといった感じで、やはりガルシアと言う人は、現実の世界を飛び越えたところでの物語を書いた方が面白い。

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