フリッチャイの第九。

50にもならぬ若さで世を去ったフェレンツ・フリッチャイがベルリンフィルを指揮した、ベートーヴェンの9番。DGの「オリジナル」シリーズで、1958年の録音だが、リマスタリングでクリアな音質になっている。
特徴は、全般に快速でありながら第3楽章だけはじっくりと時間をかけているところ、あるいは、フィッシャー=ディースカウが歌唱に加わっているところだろうが、何より全編を通してのベルリンフィルらしいかっちりとした音、また、快速だがまったく雑にならない端整な趣がなかなかよい感じだ。もっとも、第4楽章の冒頭など、もうちょっと粘っこくてもよいのにと思えるところもある。ま、概して格調高くもくどさはなく、あっさり目というべきか。
このところ、第九はサヴァリッシュ、ノイマンと、ライブ盤が続いていたので、ライブではない、しっかり作り上げられた録音をじっくり味わっている。

ベートーヴェン 交響曲第9番
指揮:フェレンツ・フリッチャイ
オケ:ベルリンフィル
品番:DG 463626

ベートーヴェン:交響曲第9番

コメント

人気の投稿