現代的な洗練、マルティヌー。

家内から音楽ギフト券をもらった。ピリオド奏法によるベートーヴェン全集など聴いてみたかったのだが、古典派あたりの価値を認めない家内にはベートーヴェンを買うと怒られそうなので、マルティヌーの交響曲全集(全6曲)を買った。ノイマン指揮、チェコフィルの演奏による国内盤だ。

チェコの、モラヴィア地方とボヘミア地方の境あたりの出身だそうだ。しかも、守番として教会の鐘楼に住む両親の元に生まれ、鐘楼で育ったと言ういかにも物語性に満ち溢れた生い立ち。また、作曲家としての活動の大半は、戦火を逃れた先のアメリカと、その後移り住んだ冷戦時代の西側ヨーロッパでのものだという。なんとも波乱万丈だ。

マルティヌー 交響曲全集
指揮:ヴァーツラフ・ノイマン
オケ:チェコフィルハーモニー
品番:コロムビア COCQ-84038



交響曲は大半がアメリカ時代の1940年代、大戦をはさんで書かれている。中でも憤りと苦渋と不安が漂う3番と、終戦の喜びに明るさを取り戻した4番との対比が興味深い。まだまだ聴き込みが足らないので多くは語れないが、ショスタコーヴィチのような気難しさが時折顔を見せるのもののそれを引きずらず、希望というか、光がある。救いがあると言うべきだろうか。

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