イギリス音楽を聴く~ディーリアス、ウォルトン。

ヴォーン・ウイリアムズやホルストといったあたりの、イギリスの近現代音楽は好ましいものなので、その周辺へと少しづつ広げている。普通ならエルガーが先に来るのだろうが、一部の曲は持っていて、あまり食指が動かないので、後回し。

まずはディーリアスだが、イギリス人といっても両親はドイツ人、本人も長じてアメリカ、フランスと移り住み、音楽家としてイギリスで活動したとはいえない人生だった。この点で民謡など土俗的要素とは縁が薄かったのだろうか、独特であると同時にイギリス的な味はあまり無いと感じる。
代表的な作品は、交響曲や交響詩に分類されない管弦楽で、サー・アンドリュー・デイヴィスとBBC響という、イギリス度の濃い演奏で聴いてみたが、規模的にホルストの弦楽合奏曲あたりに近い雰囲気があるものの、やはり、土地や歴史の影が薄い。

ディーリアス パリ/夏の庭で/ブリッグの定期市/楽園への道/
 小オーケストラのための2つの小品:春初めてのカッコウを聞いて,川面の夏の夜
指揮:サー・アンドリュー・デイヴィス
オケ:BBC交響楽団
品番:APEX 8573890842



一方のサー・ウイリアム・ウォルトンは、交響曲、協奏曲と言う王道的な形式の作品から映画音楽まで幅広く手がけている。入手したのは交響曲第1番と4つの協奏曲がセットになったディスクで、ヴァイオリン協奏曲は初演者ハイフェッツと作曲家自身の指揮(モノラル)、チェロ協奏曲は作曲を依頼したピアティゴルスキー自身のソロでミュンシュ指揮ボストン響(と言うことは恐らく初演の録音だろう)。これら歴史的な音源も交えての組み合わせだ。交響曲はプレヴィン指揮ロンドン交響楽団。1966年の録音だが音はなかなかよく、管が強い派手なオーケストレーションの力感を堪能させてくれる。協奏曲も含め、現代音楽の不協和、晦渋な世界と、古典的な管弦楽のスケール感や美しさとが同居した、面白い作品群だった。

ウォルトン 交響曲第1番/Vn協奏曲/Vc協奏曲/Va協奏曲/協奏交響曲
指揮:アンドレ・プレヴィン,ウォルトン自演,ミュンシュ,ハンドリー
オケ:ロンドン交響楽団,フィルハーモニア管,ボストン響,ロイヤルフィル
ソロ:ハイフェッツ,ピアティゴルスキー,バシュメット,K.ストット
品番:RCA 74321.92575

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