ブラームスもサヴァリッシュで。

ブラームスがなぜ苦手なのかと考えると、ひとつ、持っている録音との相性の問題ではないかと思える。

例えば協奏曲全集。面白く感じられずに困っているのだが、ヴァイオリン協奏曲については、ソロがクレーメルであるためだろうと思う。アナログ時代にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でクレーメルの演奏を持っていたのだが、これがだめだった。クレーメルとの間に何かあるに違いない。
ピアノについてはわからないのだが、もしかするとこの全集は全曲バーンスタイン指揮ウィーンフィルによるものなので、バーンスタインと相性が合わないのかもしれない。バーンスタインのショスタコーヴィチは最悪だ(しかし、同じNYフィルとのチャイコフスキーの全集はまずまず楽しく聴けたので、よく分からないのだが)。
交響曲全集は、よく分からずジャケットの渋い配色とベルリンフィルであることで選んだ、アーノンクール指揮のもの。ネット上では「アーノンクールにしては普通な演奏」だと言う評価が散見されるが、古楽系の人であるアーノンクールの、そんな素性を知らずに選んでいるわけで、そこに問題があるのかもしれない。

そんなこんなで、サヴァリッシュのベートーヴェンがなかなか良かったので、さらに苦手なブラームスもサヴァリッシュで聴いてみることにした。ベートーヴェンの全集と同じく、EMI音源をブリリアントが発売したお買い得セットだ。

ブラームス 交響曲全集
オケ:ロンドンフィルハーモニック管弦楽団
品番:Brilliant BRL92878



一番から聴き始めると、まずは、やはりアーノンクールの録音とは力感や厚みが違うような気がする。いかにも交響曲らしい。ロンドンフィルとはハイティンクのタコ全集でおなじみで、特別な個性は感じないがしっかりとした演奏ぶりには好感を持っている。このディスクでもそれは変わらないと感じる。
といってもやはり曲そのものは渋め、編成も地味めなブラームスであるから、マーラーを聴く様なわけにはいかない。けれども、それほど退屈な音楽ではないなとは思えるようになってきた。

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