チェコフィルのカルミナ・ブラーナ。

2月にアメリカのビジネス・カンファレンスに参加したとき、オープニングのイメージビデオによるプレゼンテーションで、オルフのカルミナ・ブラーナが使われていた。もっともそのときは、曲名が思い出せず、なんだったっけと思いつつ、そのうち忘れていた。
ジロ・デ・イタリアの最終日、イタリアからの国際映像でも、オープニングでカルミナ・ブラーナが使われていた。このときも、ああ、またこの曲だ、なんだったっけと考え込み、「カルミナ・ブラーナ!」と頭の上で電球のスイッチが入ったのは、翌日のことだった。

有名な曲だが持っていないなということで、録音を探してみると、コロムビアからヴァーツラフ・スメターチェク指揮、チェコフィル演奏のディスクが出ていたので入手した。どうも最近、いくつかの選択肢があれば、チェコがらみのものを優先して選んでしまう癖がついている。
カップリングは、この曲とあわせオルフの「トリオンフィ」三部作となる、「カトゥリ・カルミナ」と「アフロディテの勝利」で、これら3曲で2枚組みの構成。といっても、作風にあまり変化がないので3曲聴きとおすのは辛い。その上、その作風というのが、とにかく旋律も詞もリフレイン、リフレインであるから、トランス的な身のゆだね方をしない限り、単調さに飽きてしまう。つまり、カルミナ・ブラーナ1曲でお腹いっぱいである。

オルフ トリオンフィ(三部作全曲)
指揮:ヴァーツラフ・スメターチェク
オケ:チェコフィルハーモニー合唱団、チェコフィル、プラハ響、他
品番:DENON COCO-70996-7

オルフ:カンタータ三部作「トリオンフィ」(全曲)

そのカルミナ・ブラーナについては、あちこちでよく使われている演奏との比較になるが、やはり、チェコフィルらしい、はしゃぎすぎないところが感じられる。アンチェルならもっと派手になるだろうが、ノイマンなら、やっぱりこんな感じだろうか、と思える。人によっては、クライマックスを地味と感じるだろう。しかし、どちらかといえば下卑た曲なので、こうした落ち着きがあってようやくバランスが取れているようにも思う。

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