広上さんのマーラー第4番。

広上淳一さんは現在の日本を代表する指揮者の一人だ。私はどちらかといえば昔から名前を見聞きしている指揮者の録音か、海外廉価レーベルのディスクを選ぶことが多いのだが、広上さんのディスクは2枚ほど持っていて、そこに、この4番を加えた。

マーラー 交響曲第4番
指揮:広上淳一
オケ:ロイヤルフィル
歌唱:インガー・ダム=イェンセン
品番:DENON COCO-70767

マーラー:交響曲第4番

DENONの録音は、広上&ロイヤルフィルとボリス・ベルキンによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲、カントロフのバッハの無伴奏、加藤知子のイザイの無伴奏、インバルのあれこれなど持っているが、概して、温度が低くどちらかといえば線の細い分析的な音に仕上がっているような気がする。
このディスクでは、それらに比して弦も管もふくよかだが、一方で極薄くベールをかけたように聴こえる。ロンドンのアビーロードスタジオでの録音だそうで、クラシックの録音にさして良くは無いスタジオだと言う記事をどこかで読んだ気がするが、そのせいだろうか。
演奏はと言うと、強弱のメリハリが非常にはっきりとしていて、全体を通してノリの良さ、豊かさを感じる。終楽章の鈴の音の美しさ、インガー・ダム=イェンセンの歌唱も可憐でありつつ力強く、すばらしい。惜しむらくは、強弱緩急の転換がはっきりしすぎているせいで、弱音部が小さすぎて聞こえにくくなっていたり、所々でちょっと曲が分断されているように聴こえたりするところか。

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