リヒテルのバッハ。

土曜は針灸院で針を打ってもらい、静養につとめる。マーラーの8番を聴き、続いて、スヴャトスラフ・リヒテルの平均律クラーヴィア曲集、全4枚を、2日に渡ってだらだらとながら聴き。ずいぶん前に買ったものだが、まともに聴くのはそれ以来だろうか。

平均律クラーヴィア曲集全曲
ソロ;スヴャトスラフ・リヒテル
品番:RCA GD60949

家内がバッハを聴くが、それほど熱心なわけではないので、我が家のバッハの音源は多くない。ヴァイオリンならシェリング、チェロはトルトゥリエ。鍵盤は、誰というのが定まっていないが、この作品を買ったときには、さして迷わずリヒテルを選んだ記憶がある。
60年代に生まれ、長じるまで東西冷戦構造の世界に住んでいた身にとって、旧ソ連、東欧の芸術家と言うのは、なんだか、恐るべき実力を秘めていると言う印象がどうしてもつきまとう。実際、リヒテルもロストロポーヴィチも、オイストラフも、化け物じみた天才だったわけだ。鉄のカーテンの向こうからやってきたモンスターと言う感じなのだ。
そんな感覚が、今も抜けていないのだろうか。いや、リヒテルの演奏が化け物的だというわけではなく、これはもう、美しく、整って、隙が無く、しかもさまざまな表情に満ちたすばらしいものなのだが。

リヒテルのバッハ

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