ハープの曲。

カトリン・フィンチのゴルトベルク変奏曲は、まずまず面白かったが、もともと器楽曲よりはオケの音が好きなたちなので、ハープとオケが絡んだもの、たとえば、「ハープ協奏曲」という形式の曲が聴きたくなってしまった。
しかし、これがなかなかないのだ。よくあるのはモーツアルト(フルートとハープ)、ヘンデルあたりだが、モーツアルトは昔からからだが受け付けないし、ヘンデル(それにハイドン、ヴィヴァルディといった)あたりは迂闊に手を出すときりが無いので避けて通ってきている。
で、なんとなく手に取ったのが、ライネッケである。

ライネッケ フルート協奏曲/ハープ協奏曲/
 フルートとピアノのソナタ「ウンディーネ」
指揮:テオドル・グシュルバウアー
オケ:バンベルク交響楽団
ソロ:ジャン=ピエール・ランパル(Fl.)/リリー・ラスキーヌ(Hp.)/
 ロベール=ヴァイロン・ラクロワ(Pf.)
品番:APEX 2564623622

Reinecke: Flute/Harp Concertos

これまた廉価レーベル、APEXである。しかし、録音は1968年(推定)、ERATOレーベルでのもの。ソロイストは3人ともフランス系の名手であり、技量はまったく問題なく、録音もややこもった音だがそれほど悪くは無い。それに何より、曲が良い。
ハープ協奏曲の第一楽章、ややもすればたおやかなイメージのハープに向かって、伴奏のはずのオケがかなり威圧的に鳴り響く。しかしハープはそれを堂々と受けて立ちながらも、本来備えた美しさを失うことが無い。
そして、第三楽章では、両者打ち解けて柔らかく終結へと向かっていく。
フルートの方も、ガツンと来るものではないが、サロンミュージックとしてはかなり上質で心地よいものだと思える。
イヤホンでミクロ的に聴くものではなく、部屋で柔らかく流す曲だと思うが、なかなかの名盤ではないか。

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