たまには新譜。

気になっていたカトリン・フィンチのハープ版「ゴルトベルク変奏曲」がそろそろ発売されているのでは、と、難波のタワーに赴き、購入。
ゴルトベルクはアンドレイ・ガブリーロフの演奏を持っていて、先日、グールドの81年の録音を買い足したものの、それほど聴きこんでいる曲ではない。ピアノからハープに替わって、かき鳴らすような場面が面白い。しかし一方、あまり音が重ならないところでは、アタック感はあるがサステインが無い感じで、少し寂しい印象だ。といってもこれはハープという楽器の特性で、彼女の問題ではない。

店頭では、まだ「さよならBMGセール」が続いていたので、あわせてプレヴィンのヴォーン・ウィリアムズ交響曲全集と、Arte Novaから出ていたカリンニコフの交響曲第1番を買って帰った。
ヴォーン・ウィリアムズは60年代末~70年代初頭の録音で、若干ホワイトノイズが気になるが、ダイナミックレンジは十分広く、スケールの大きい録音だ。まだすべてをしっかり聴いてはいないが、4番のような破壊的なものもあれば、2番のようないかにもイギリス的なものもあり、面白い。ただ、マーラーやショスタコーヴィチほどのくどさというかアクというか、それが少し物足りない気がする。むしろ、一緒に収められているチューバ協奏曲やコンチェルト・アカデミコが驚くほどよくて、なぜこれらがもっと広く演奏されたり録音されたりしていないのか、不思議に思った。
カリンニコフは不遇な人だったようで、唯一の代表作がこの1番だそうだ。適度に悲しく、適度に美しく、なかなかに良い交響曲ではある。しかし、突き抜けてはいない。チャイコフスキーやドヴォルザークにはなれなかった人の作品であることが、なんとなくわかる曲というか。

J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲(ハープ編曲)
ソロ:カトリン・フィンチ(Hp.)
品番:DG 4778165

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲全集
指揮:アンドレ・プレヴィン
オケ:ロンドン交響楽団
ソロ:ジョン・フレッチャー(Ba.)他
品番:RCA 82876557082

ヴォーン・ウィリアムズの交響曲

カリンニコフ 交響曲第1番/グリンカ ルスランとリュドミラより舞曲、スペイン序曲第1番
指揮:サムエル・フリードマン
オケ:ロシア・フィル
品番:Arte Nova 74321654142

カリンニコフの交響曲

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