ヤナーチェク3種。

ネット注文で届いたCD。廉価盤ばかり、しかも、HMVで3枚以上で25%オフ、送料が無料になる2,500円にも届かない破格の値段であった。

シンフォニエッタ/ヴァイオリン協奏曲/「利口な女狐の物語」組曲
指揮:ヴァーツラフ・ノイマン
オケ:南西ドイツ放送交響楽団
ソロ:クリスティアーネ・エディンガー(Vn.)
品番:Arte Nova 74321304812

Janácek: Sinfonietta; Violin Concerto; Cunning Little Vixen

タラス・ブーリバ/「死者の家から」組曲/ブラニークのバラード
指揮:クリスティアン・アルミング
オケ:ヤナーチェク・フィルハーモニック・オーケストラ
品番:Arte Nova 74321675242

ヤナーチェク:管弦楽名曲集

ピアノ作品全集
ソロ:ホーコン・アウストボ(Pf.)
品番:Brilliant BRL92295

ヤナーチェクのピアノ曲

廉価盤はアナログレコード時代から好き、というか、お世話になっていたが、「Arte Nova」や「Brilliant」レーベルには手を出したことが無かったので、試してみたかったのと、どうしても、「利口な女狐の物語」組曲版が聴きたかったので、このような選択になった。

中学末期にオーディオに目覚めたものの、金が無く、カセットデッキとFMチューナーと自作スピーカーで音楽を楽しんでいた時期、なぜかエア・チェック(死語だ!)していた「利口な女狐の物語」組曲(指揮者も楽団も記録していなかったので不明だが、マッケラス指揮ウィーンフィルあたりか?)。1980年代前半、今よりもヤナーチェクはマイナーな存在だったように思うし、クラシック音楽の入り口の敷居に片足の爪先をかけていたぐらいの自分には、なおのこと未知の音楽だったはず。しかも、代表作シンフォニエッタやタラス・ブーリバすら聴いたことが無く、組曲のもととなった歌劇のことも知らなかったのに、なぜかこの曲は録音し、しかも、なかなかの佳品として、気に入ったのだった。私をオーディオ趣味に引きずりいれた友人も、うちに来てこの録音を聴いて、結構いい音だと驚いていた。コーラル社(今は無い?)の「ロクハン(口径が『6インチ半』の意)」フルレンジユニットを、奥行きが超・短いバスレフ(前面に穴を開けただけ)に仕立てた自作スピーカーとの相性が、たまたま良かったのだろうか。

20数年ぶりの「女狐」は、記憶の中のそれよりもややテンポが遅く、また音に厚みがあったが、まぎれもなく、あの曲だった。
ヤナーチェクは旧チェコ・スロヴァキアの人だが、スメタナやドヴォルザークとは出身地域が異なる。そのためか、同じ東欧の、民族楽派の系譜に連なっていても、「わが祖国」や「新世界より」に散りばめられているような、キャッチーなフレーズとか、歌謡曲的な泣きの要素はあまりない。
動物の鳴き声や人の話し言葉、時には叫びのように楽器を鳴らす。楽しげな場面でも、どこかに冷静な視線を感じる。南西ドイツ放送響の演奏は、おとぎ話を装った(実は哲学的な)「女狐」にはちょっと硬い気もしたが、残りの2曲にはちょうど良い感じだ。

アルミングの盤は、作曲家の名をとったオケによる演奏。演奏のよしあしを語れるほど聴いているわけではないので批評はできないが、これも廉価盤と侮れないものだ。

ピアノはCD2枚組。Brilliantは他社の音源をライセンスを買ってリリースしまくっているレーベルだそうだが、これは独自企画の録音。冒頭から、クリアな音質に驚いた。演奏も柔らかい中に芯の強さを感じるもので、眠くならず、かつ、耳に痛くも無い。日常的に鳴らすのに良い盤だと思う。

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