入船亭遊京 京都落語会。
入船亭扇遊師の二番弟子、入船亭遊京さんはこの秋真打昇進。その前に、学生時代を過ごした京都で初の落語会を開くというので、久々に京都まで出向いた。昨年の秋、井上道義さんが京響を振ったショスタコーヴィチプログラム以来の京都だ。 遊京さんは入門15年での真打昇進のことで、入門前は京都大学の落語研究会にいたという。私もその大学にいたが、約40年前のことで何の接点もないうえに、そのころ落語研究会があったのかどうか、たぶんあったのだろうが記憶にない。大学に入る前、岡山にいたころはTVで時々見ていたが、当時は落語との接点はあまりなかった。 会場は京都文化芸術会館。京大落研の現役学生やOBの協力で運営されているようで、開口一番も現役の落研会員の学生さんだった。道楽亭笑仲さん。4回生らしい。携帯電話の注意から先輩の真打昇進を祝いつつマクラはさらっと短めで、「ん廻し」。入船亭の落語を聴きに来たという意識だったせいか、上方落語の口調に一瞬戸惑ったが、ここは京都であるから上方落語で何の不思議もないのだった。「先年神泉苑~」のくだりも上手く語りきって、元気のよい高座だった。 そして遊京さんが登場、マクラの保育園の話は一昨年11月の東西若手落語家フェスティバルの時にも聞いた気がする。最初のネタは「船徳」で、最近誰かの高座を録画で観たような気がするが、なかなか堂に入ったもので、先月落語研究会に出たというのも納得というか、こっちはそんな大したリスナーではないからとやかく言えるわけではないけれど、上手になられたなという印象だ。 一昨年よりも、その前に前座で拝見した時よりも、自信をもって噺されている感じ。続いての、二つ目になってからの中国一周の話を挟んで「鰻の幇間」も、仲入から最後の「唐茄子屋政談」も。 噺している間の顔の動き、表情もずいぶん真に迫っていて、何となく柳家喬太郎師を思い出したのだが、なぜだろう。