月刊笑福亭たま(入船亭扇白真打昇進御披露目口上)

2025年最後の「月刊笑福亭たま」は、12月29日の繁昌亭夜席、18時45分開演だ。この日が仕事納めで会社の定時は18時半、職場は西区であるから天満の繁昌亭へ向かうと物理的に開演に間に合わないので早退しようかと思っていたが、会社的にみんな休む方向で、となったので、有給休暇を取ってゆっくりと出かけることができた。

今回は東京から、秋に真打になったばかりの入船亭扇白師が出演。他は、若手落語家フェスティバルで一緒だった露の紫さんと、米團治師匠のお弟子さんの桂米舞さんという、女流お二人だ。

入船亭扇遊師のファンとしては、二番弟子の扇白師は気になる噺家さんであり、前名遊京としては、私が東京にいたころに扇遊師の前座で、また、大阪に帰ってからは関西に来られた折に二度、計三度生で高座を聴いているが、真打になられてからはこれが初めてだ。落語協会の扇白師含む5名の真打昇進で、9月から東京の四つの定席寄席では順番に披露興行が行われていたのだが、なかなかそのためだけに東京まで行くのは億劫だし扇白師がトリをとるのが平日だったりするとなおのこと無理があって諦めた。また12月27日には扇白師単独の昇進披露興行が深川江戸資料館であり、これは当然師匠である扇遊師の高座も口上も聴くことができるし、たま師も出演とのことで行こうかなとも思ったが、迷っていたら扇白師のXの投稿で、このたま師の会に出演されるとわかったのでパスしたのだった。ちなみに前日28日は吉田食堂さんの会で十代目扇橋師の独演会が船場で行われていて、気になってはいたが連日の落語会通いは流石にどうよと思ってこれもパスしている。


開口一番は米團治師の四番弟子、桂米舞さん。ネタは「動物園」。声がかなり若い感じ。開口一番としては、さわやかでよかった。

続いて久々に生で聴く露の紫さん。新作の「寝てませんけど」という噺で、顔芸がなかなか愉快だった。相変わらずパワフルだ。

そしてたま師が「疝気の虫」と「蛙茶番」を続けて二席。たま師の会だから、本来はどちらかを中入り前にやって、最後にもう一つ、となるはずだが、今日は扇白師が主役ということでこういう順番にしたとのこと。繁盛亭には、トリは上方落語協会会員が努めねばならぬというルールがあるそうで、そこで最後にすぐ終わるネタを持って行くための策だと。

で、中入り後の口上だが、師匠クラスの大御所が並んでいるわけではないのでざっくばらんな感じだったが、面白いことに、扇白師のお辞儀の姿勢を左右のお二人がやたら誉める。東京の噺家さんはこういうところがしっかりしていると。逆に、寄席の舞台上でのマナーというものが、どうやら上方ではあまりしっかりと徹底されていないらしい。
六代文枝や鶴瓶といった大御所クラスがテレビタレントとして世に出たこともあって、寄席の所作を叩き込まれていない噺家が上のほうにいるせいもあるのではないかと。彼らですら舞台をはだしで歩いたり―足袋を履いていなければならない―して、周りも注意できなくて困ったりするそうだ。

さて、紫さんの顔芸につられたわけではあるまいが、扇白師は「睨み返し」。もう10年近く前になろうか、最初にお見かけしたころに比べると顔立ちがふっくらされて貫禄がついてきたようだが、にらみ顔は漫画のようで人間にこんな顔ができるのだなあと変な感心をしてしまった。これは音源では全く楽しめないネタであるから、良いものを見せていただいた。

真打になってからが大事だというけれど、これからどんな風に大成されていくのか。時々大阪に来てほしいものだ。

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